
新作ねんど人形「カムヤマトイハレビコノミコト」完成の前に、イザナキノミコトの物語「国産み」「黄泉の国」「三貴子(みはしらのうずのみこ)」の神話ををおさらいしておきましょう。
「国産み」
まだ何もなくどろどろと漂っていただけの混沌とした大地を、イザナキ、イザナミの夫婦神が、天浮橋(あめのうきはし)から天沼矛(あめのぬぼこ)でかき混ぜて、大八島国(おおやしまのくに)〜日本列島を産み落とした。
「黄泉の国」
イザナキ、イザナミは国産みの次に「神産み」をし、様々な神々を生み出したが、火の神カグツチを出産の際にイザナミは火傷を負って死んでしまった。
イザナミの死を悲しんだイザナキは死者の国である「黄泉の国」までイザナミを取り戻しに行くが、変わり果てたイザナミの姿に恐れおののいて逃げた。
「三貴子(みはしらのうずのみこ)」
生者の国に戻ったイザナキは黄泉のケガレを清めるために「禊ぎ」をする。この時にも様々な神々が誕生し、最後にイザナキが左目を洗うとアマテラス、右目を洗うとツクヨミ、鼻を洗うとスサノオが生まれた。
・・この「禊ぎ」神話の続きが、大分の佐賀関半島のイハレビコ東遷神話にあり、私が参道沿いに住まわせて貰っています早吸日女神社と大きく関わってきます。続きをどうぞ、お楽しみに(^ω^)
黄泉の国の入り口・黄泉比良坂のふもとまで逃げたイザナキ。そこにある桃の木の実を取り、イザナミの命で追ってくる黄泉の軍勢に投げつけると、ようやく退けた。
「いとしい私の夫よ。あなたがこんなことをするのなら、あなたの国の人を一日千人、殺してやるわ」
「いとしい妻よ。おまえが千人殺すなら、私は、一日に千五百の産屋を建てよう」
(「ふるさと読本いずも神話/島根県教育委員会」より抜粋))
千人引きの大岩で黄泉比良坂をふさぐイザナキに、イザナミが告げた。日本最初の夫婦神のお別れのお話ではあるのですが、ここで2人とも互いに「いとしい私の夫よ」、「いとしい妻よ」と呼び合っているのが良いですね。
イザナミが一日千人の命を奪い、イザナキは千五百の命が生まれるようにする・・この時に交わされたイザナキとイザナミのこの言葉により、日本の人口は増えていくようになったといいます。

「あなたが早くいらっしゃらなくて残念です。私は、黄泉の国で作った食べ物を口にしてしまったので、もう帰れません。でも、いとしい私の夫よ。あなたが来てくださったので、黄泉の国の神と相談しましょう。その間、けっして私を見ないでください」
と言って、(イザナミは)黄泉の国の御殿の中に入りました(「ふるさと読本いずも神話/島根県教育委員会」より))。
しかしイザナミを待ちきれないイザナキは、髪のみづら(古代のヘアスタイルの、横に束ねたアレ)にさしていた櫛の歯に火をともし、御殿のイザナミを覗き見てしまった。死者として腐り果てていたイザナミの身体には、蛆がたかり、頭、胸、腹、陰部、両手、両足に八種の雷神が発生して、ゴロゴロと音を鳴り響かせていた。
恐れおののき、黄泉の国から逃げ帰るイザナキ。

見てはならないといったのに、どうしてあなたは私に恥をかかせるのですか!! ・・イザナミはヨモツシコメ(黄泉醜女)達に命じ、イザナキを追わせた。イザナキが頭飾りや櫛の歯を投げて山ぶどうや竹の子に変えると、ヨモツシコメ達はそれに食らいつく。食い意地が張っていて、使命が果たせません(笑)。
イザナミはさらに、八雷神に千五百の黄泉の軍勢をつけて、イザナキを追わせた。
「黄泉醜女」とは、本来は「黄泉の国の霊力の高い女」という意味なのだそうですが、可愛くしたかったのでちびっ子みたいなデザインにしました。2012年の古事記編纂1300年「神話博しまね」では、「しこめちゃん」という愛称で親しんでいただけました。
posted by watanabe at 14:13
|
Comment(0)
|
神武東遷〜神々の海